或る晴れた日に

ひさしぶりのさわやかな土曜日の午後,銀座に展覧会を見に行った.京橋寄りの美術画廊の、墨画展にいつも大作を出品される主治医におめにかかりたかったのだ。
昔、がんの手術をしていただいた先生は、80台なかば、きょうはめずらしく杖をついて、すこしお疲れのようだった。作品は隅田川と橋,屋形船を描いた4点。相変わらず達者である。別室でつめたいお茶を一緒にいただいて、お帰りになる先生の荷物をもって地下鉄までお送りした。つい去年まで頼まれればよろこんでオペをやっておられたことを思うと、ちょっと悲しかった。

銀座通りは歩行者天国で、次の展覧会に向かい4丁目のほうへ散歩気分で歩いていると、
よほど暇にみえたのか、TBSのインタビューにつかまった。
 東京タワーができた時は高度成長期にはいって景気がよくなったのですが、スカイツりーがオープンした今度はどうでしょう? 
 言われて、はて東京タワーはいつだったか、思い出せなかったが、そうだ、日本に居なかった時期だった。
 それからいろんなことを聞かれてなかなか解放してくれない。消費税について。消費税はあげるべきですよ、日本みたいに安いところはないですよ、上げない,と言えば選挙で勝つと思うから政治家は言うけれど,結局その分の財源をつくるために所得税をあげたり年金をカットしたりするんだから、そこを考えなくては。言い過ぎかな?
 日本の経済は右肩あがりになるでしょうか?
 東京タワーはエッフェル塔の真似、スカイツリーは上海の真似,勢いづいてる中国にあやかればと思うでしょうが、今の日本は問題をいっぱい抱えているし政界もあまりたよりになりそうもないから、右肩上がりは無理でしょうね。また言い過ぎた。

4丁目の画廊では、医科芸術の書道部展をやっていた。父は絵画をやっていて、式場隆三郎先生と一緒に医科芸術倶楽部の副会長をしていた。なつかしいのではいってみると、受付の女性が私の署名をみて、婦人科の橋爪先生ですね,私、昔お世話になりましたと言う。父は48年も前に亡くなっているのに、そのことを覚えている患者さんに
出会った偶然におどろき、医科芸術をとても楽しんでいた父を想った。

翌日、TBSサンデーモーニングをみたら、生意気顔の私がでてきた。それがなんと、
『右肩上がりにはならないでしょう」のひとことだけ。唐突でなにが右肩あがりだかわからない。あきれた。つまりあのインタビューアーはこの一言だけがほしかったのだ。道理ではじめから右肩上がり,右肩上がり、と連呼していたのだ。
悪友たちから電話がかかってきた。
『朝っぱらから,銀座でなにやってんだ!』
恥ずかしくって、いやになった。もう絶対、マイクを突き出す人は無視しよう。

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この記事へのコメント

kirafune
2012年06月02日 22:10
ジェシカさん

こんばんは!
TBSサンデーモーニングの番組、
私も拝見したかったです。
銀座で歩いていたとき、私も
インタビューされたことあります。
質問は
「まいたけについて、どう思いますか?」
「まいたけ?あれは地味なキノコね。でも、たまには食べますよ~」とか言ったら、
「地味なキノコ」という部分だけ、後日、放送されていました。
全国放送だったので、いろんな友達から、
「あれ、貴女だったのでは」と電話がかかってきました。
テレビって、いろんな人が見ていますね。
また、インタビューを受けられたら、
インタビュアーの意に反した受け答えで、
是非、テレビ出演されてください。

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