日本工場生産開始

なぜ外資の化粧品会社が日本に工場をつくるのかわかりますか?それは当時の宿敵、厚生省のためである。50年たったいまはどうか知らないが,厚生省は一つでも日本で認可されていない原料が含まれていると、それがごく少量のたとえば色素だったり,保存料だったりしても発売を許可しない.会社はアメリカ本社のラボに依頼して代わりの原料で処方を作り直さなくてはならない。商品数がふえ、メイクアップが加わると、どうしても工場が必要だった。ポンズは,相模原ゴルフクラブとなりの好環境に、他社から見学がくるほどの窓なし(一切のほこりがはいらない)新鋭工場をたてた。
当時は舶来思考がつよく、アメ横で売っているPXながれのクリームが国産よりも高価でよく売れていた。うるさい日本の厚生省に守られた国産のほうが、ひと月も船でゆられてきたアメリカ製よりずっと新鮮で日本人の肌によいのに、と慨嘆したものだ。いまは貨物機が発達して空輸がすすんでいるから輸入品もいいと思うが、厚生省の認可基準が変わっていなければ話はべつである。
化粧品にも品によって消費期限みたいなものがあり、劣化した物や破損,汚れなどで返品されたものは行政で指定された廃棄処分場で、多くは埋設しなければならない。ところがこの処分場を知っている近隣の主婦などが集まって拾ったり掘り出したりするので、万一事故でもあれば問題になるため、工場敷地内に強力な焼却炉をたてた。これはガラス瓶でもプラスティックでもとかし、その熱で工場内の暖房をまかなっていた。
毎月一度、部長会のメンバーは工場での会議に行き、生産部門との打ち合わせをしていたが、昼休みに庭でバレーボールなどしている作業員たちの姿は、日がないちにちコンクリートの建物で日差しも浴びず数字と取り組んだりしている私たちの目には、別世界のように映ったものである。

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