病院と楽しくつきあう方法 6

代々医師の家に育った私は病院が嫌いではない、というよりむしろ好きであった.行きつけ?の病院はたくさんあって、長年の主治医の先生方は心安さで我侭ばかり言っている.又来たか、と煩がられている先生もおられるにちがいない。
内視鏡は前田病院で毎年同じ先生にお願いしているのだが、その先生が難しい顔をして『今回は私の手に負えません』と言う.これはショックだ。年も年だしいよいよ覚悟しなくてはと身辺整理にとりかかった。
赤坂見附の前田病院は、初代院長が父の友人、2代目は私の幼稚園の先輩、そして3代目院長の京助先生までずっと通っているから私のカルテは片手では持ち上がらないほどの重量がある。内視鏡の湯浅先生と院長が相談して慶応からこの『嫌な顔』をしている腫瘍を切除する定評のある矢作教授をよんで手術をすることになった。しかしここからが大変.脳梗塞の薬を飲んでいる私は、これを休んで別の薬に変えないと手術ができない。おまけに入院10日ほど前に狭心症の発作をおこした。これで心臓の精密検査が必要になり、循環器の主治医、心臓センターの主治医、前田院長と検査/診断書類が飛び交い、やっと入院になる.私は入院が嫌いではないが、今回は胃の手術だから病院食の楽しみはなく、術後一週間の絶食から流動食、潰瘍食とつづき、点滴は入院時から3週間つながれっ放し.多いときは三つもぶらさがっていてチューブのどれかがみじかいとトイレの便器にとどかなくてあわてたこともある。
嬉しい大発見は、主治医の岩郷先生が注射の名手だったこと.点滴の差し替えもカテーテルもほとんど痛くない.手術前の採血検査の痛みがしつこく残るのにこりて、注射はすべて岩郷先生指名で通し、ついでにインフルエンザのワクチンまで打って頂いて退院した。

手術から2ヶ月、ほぼ食事制限もとけ、お世話になった先生方と念願の快気祝いのディナーの卓を囲むことができた.一杯だけ、とお許しのでたシャンパンで乾杯。いつも白衣しか見ていない先生方はスーツ姿もダンディーで、私がシェフと相談して念入りに組んだコースを気に入っていただけ、お話もたのしくてとても幸せな夜だった。

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